Arch00630.png概念:ストーリおよびストーリと連動するオブジェクト

ストーリを設定したモデルは、実際の建設状況を模しています。複数のストーリを備えた建物構造を設定するを参照してください。モデルを設定する場合にレイヤやストーリを効果的に使用するには、壁およびスラブスタイルがレイヤやストーリと連携する仕組みを理解する必要があります。

これらの説明全体を通じて、「高さ基準」という言葉は、壁やスラブの上端、下端、辺、および/または高さの制限を設定する、関連付けられた境界を指します。このセクションの焦点は壁やスラブですが、他のオブジェクトが同様に制限されることもあります。

Vectorworksのモデルで壁やスラブを設定する方法は3つあります。

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スタイルなし

シンプルな図面や概念を検討する場合は、単に新しいファイルを開き、スタイルなしの壁やスラブを使用して作図を開始します。スタイルなしの壁は、デフォルトの高さと厚みに設定されます。スタイルなしのスラブにはデフォルトの厚みが適用され、辺で周囲の壁と関連付けることができます。壁やスラブの高さと厚みはオブジェクト情報パレットで変更できます。あるいは、壁の場合は視覚的に図形を変形することで変更することもできます。

高さ基準をレイヤの高さに設定

この描画方法では、デザインレイヤの高さ設定を使用して、スタイルありとスタイルなしの両方の壁を制御します。スラブの場合、周囲の壁をスラブの辺の境界にしつつ、スラブの起点参照レイヤ(Z)をレイヤの高さに従って設定することもできます。

各デザインレイヤにはそれ自体の高さ壁の高さ(レイヤ設定)の値があり、デザインレイヤを設定する時に表示されます。これらの値は、スラブと壁の高さを設定するため、オプションのオフセット値と共にそのレイヤ上の壁やスラブで使用されます。

スタイルなしの壁やスラブでは、オブジェクト情報パレットで高さ基準をレイヤの高さに設定します。スタイルが適用された壁やスラブでは、スタイルのリソースを編集時に、壁スタイルの設定(またはスラブスタイルの設定)ダイアログボックスの配置オプションタブで、高さ基準をレイヤの高さに設定します。スタイルが適用された壁で構成要素を使用している場合、高さ基準をレイヤの高さとするシンプルなシナリオでは、構成要素の上端と下端を壁を基準に設定します。構成要素の上端と下端で、オプションのオフセットを設定することもできます。

レイヤの高さまたは壁の高さの値を変更すると、これらの値を高さ基準に設定した壁やスラブもすべて変更されます。インスタンスの設定を上書きしたい場合は、オブジェクト情報パレットで高さを変更するか、変形ツールを使用して、個々の壁の高さを上書きできます。スタイルが適用された壁の高さは、高さを高さ基準によって決められた設定ではない特定の値に変更して上書きできます。構成要素の高さ基準またはオフセットは、オブジェクト情報パレットの構成をクリックして上書きできます。

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高さ基準をレベルに設定

この方法では、ストーリ内に含まれるレベルの情報で、壁だけでなく壁の構成要素の高さも設定します。各構成要素は、高さを決定するストーリレベルに割り当てられます。ストーリの高さを変更すると、ストーリレベルもすべて変更され、それに応じてモデル内の他のストーリやレベルが調整されます。高さ基準をレベルにしたオブジェクト、それに関連付けられたデザインレイヤ、およびそれらのレイヤ上のオブジェクトもすべて、ストーリの高さの変更に対応します。

壁スタイルを使用するスラブスタイルを使用すると、この複雑な設定がしやすくなります。

壁の場合は、壁スタイルの設定ダイアログボックスの配置オプションタブで、高さ基準をストーリレベルに設定します。

スラブスタイルの場合は、スラブスタイルの設定ダイアログボックスの配置オプションタブで、起点参照レイヤ(Z)をストーリレベルに設定します。

選択した壁のオブジェクト情報パレットにある上/下の高さ基準オプションは、配置オプション設定と同じように表示されます。しかし、構成要素を含む壁に対して、壁 構成要素の設定ダイアログボックスで構成要素の高さ基準を壁を基準に設定している場合、オブジェクト情報パレットで高さまたは高さ基準を変更しても壁にしか影響はありません。

壁スタイルまたはスラブスタイルの高さ基準設定の変更は、壁スタイルの置き換えまたはスラブの置き換えダイアログボックスで高さを置き換えるを選択しない限り、設定を変更した後のこれらのスタイルにしか影響はありません。

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すべての図面には、新しいストーリを作成すると使用可能になるストーリレベル初期設定が含まれます。利便性を考慮し、壁スタイルおよびスラブスタイルは、スタイル内で予め指定したものと同じストーリレベル初期設定でリソースセレクタから使用できます。そのため、壁の上/下の高さ基準とスラブの高さに対してストーリおよびデフォルトのレベルを使用して、はるかに簡単にモデルを設定できます。

ストーリを作成および管理する場合は、ストーリと共に含めるレベルの隣にチェックマークを付けます。当然ながら新規レベルを作成することもでき、各ストーリ内のレベルの高さは調整可能です。たとえば、仕上げ変更ラインのレベルを追加する場合、高さオフセットには-1’0”など負の値が必要になることがあります。

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壁の上下をストーリレベルに設定することに加えて、壁スタイルで構成要素を使用する場合は、各構成要素の上端と下端をストーリレベルに設定できます。これにより、実際の建設条件に従ってモデルを設定できます。たとえば、壁の外側構成要素の下端をスラブ下端を超えるように仕上げ変更ラインのレベルにまで延ばす一方で、内側構成要素をスラブレベルで止めておくことができます。スキップフロアまたはメザニン(中二階)の場合、壁をスラブ下端に設定し、高さ基準のレベルに対して追加のオフセットを設定できます。

壁やスラブのインターフェイスを適切に設定するには、壁とその構成要素がスラブとその構成要素とどのように作用し合うかを評価します。各構成要素が高さ基準としているレベルや、スラブの辺と壁の構成要素がどのように作用し合って、それらが切断されるかを考慮します。スラブの辺が壁のコア構成要素の一部を境界としている場合は、壁のコア構成要素を設定することも重要です。

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ワークフロー:ストーリによるモデルの設定

複数のストーリを備えた建物構造を設定する

ストーリレベル初期設定

ストーリを作成および管理する

壁を作成する

壁スタイルを使用する

スラブを作成する

スラブスタイルを使用する

リソースビューアメニュー